家を60センチ浮かせて土台を入れ替える⁉︎古民家改修現場突撃取材。/ 京都、亀岡市の木材屋・材木屋 「三浦製材」

私たちのお得意様であります石山テクノ建設さんの、古民家改修工事現場であります『沙桜里庵』さんの見学に伺いました。
特に今回の見どころはと言えば、伝統工法で建てられた古民家を、60センチも宙に浮かせて基礎を作り直し、土台も交換して元に戻す工事という事なので、ぜひ拝見したいと思い訪問させて頂きました。

上の写真でわかるでしょうか?
土台が外され柱が完全に浮き上がった状態になっています。

これを曳家と言うらしく、最近では珍しい工事です。またこの仕事ができる大工さんも少なく、私自身も過去2回この工事に立ち会わせて頂きました。

石山テクノ建設さんは耐震工事のエキスパート!鉄筋コンクリートから鉄骨、橋梁工事までの耐震改修を数多くこなされており、当然戸建て住宅も得意分野の一つです。

中でも今回は伝統工法の古民家の耐震工事であり、工事後も伝統工法をそのまま引き継ぐ形となりますので、かなり特殊だと思います。

今回木工事を担当される棟梁がこの方!
おがわ工建の小川社長であり棟梁です。

数寄屋工務店で修業をされ、過去に特殊な工事も数多く経験されており、この曳家工事も小川棟梁だからこそ成しえたと思います。(本人は謙遜されていますが)

 

このようにジャッキで少しずつ上げていき、全体のバランスを見ながら行う作業は、一歩間違えれば家が倒れてしまうので、かなり緊張すると仰ってました。

一回に上げるのは数センチであり、それを均等に行うので60センチを上げるまでには相当の日数を要します。

こちらの現場では、私たちの木材を大量に使って頂きました。まだこの段階では補強材でしか登場しませんが、いずれ土台、柱、化粧材は仕上げ材などが登場してきます。

この中でも特に土台や柱は、e-BIOと呼ばれる35度で乾燥させた京都の桧をご指定頂きました。本当にありがたい事です。

長きにわたり家が健全な姿で残るためには、やはり構造材に気を使わなければなりません。
e-BIOは低い温度で乾燥をしているので、細胞破壊を起こすことなく木の持つ本来の性能を最大限に引き出してあります。

石山テクノ建設の石山社長は、その点を考慮頂き採用頂きました。
11月には完成ということで、地域の文化や芸術の発信の場としてご利用されるそうです。

今から楽しみです。

最後におがわ工建の小川棟梁のインタビューをYouTubeでupしますので、ぜひご覧ください。